家を出る前に

きみの言葉 思い出した

それでいいって

そう言える

きみの心が羨ましかった

 

河川敷で

夏草の匂いが

充満して

ぼくは

きみにとって

ぼくの何がだめなのか

考えている

 

きみのあきらめと

きみの辛さと

きみのやさしさが

あたりまえにあったこと

ぼくは気づかなかった

ぼくは情けないやつだな

 

知っている匂いを嗅いで

見覚えのある 空の広さを仰いで

夕闇の訪れを迎えて

ぼくは

きみにとって

ぼくの何がだめなのか

考えている