中には いいうたもあったよ
きみの たった一言が
ぼくの過去を呼び起こすこともある
寝床に就く安心感を
ぼくはひっそり 持ち続けているだけ
きみが立ち尽くす
風景の中に
ぼくの感覚が 漂っている
それだけで ぼくは
きみを愛してしまえるんだ
風がいつも
ぼくを はっとさせてくれるなら
ぼくは 今まで生きていたことを忘れない
ぼくらはそんなに 離れてはいない
ぼくらはそんなに 違ってはいない
ただ ぼくらはすぐに悲しくなって
もうだめだって 思うだけ
屋根の上は光っていた
熱を持ったトタンに触れた
きみの言葉に笑えたら
気持ちがもう少し 放たれたなら
終わりの匂いをかいで
しばらくの間
何を思っていたのか