気力もないし 心も動かない

死ぬ時期も逃して

ぼくは もう為す術がない

 

まるくなって

眠くもないのに眠って

目が覚めたら

もう考えることができなかった

 

懐かしい匂いだけが

死ぬほど鮮明で

たまらなくて 動けなかった

 

長い長い夕暮れの道が

生暖かい空気の中に伸びている

よかったと思っていた時のこと

もう思い出せない

いや 思い出せたけど

すごく悲しかっただけだから

 

歩いて歩いて 息切らせて

自分の呼吸だけが

耳元にはりついて

どんな方法も 方向の違いだけだった

 

もう思い出せない

思い出したって しょうがない

 

長い長い夕暮れの道が

生暖かい空気の中に伸びていく

言葉にしなくても わかってほしかったって

勝手に思っていただけ