窓だけが ぼんやりと開いている
ユラユラと ぼくは波打っている気分
ツメも髪の毛も あっという間に伸びていって
しばらく会わなくなれば きみのことも忘れていくさ
ほんとうに退屈な夏休み

守り過ぎたものを 少しづつ解き放っていって
ああ ベランダに匂いが充満
きみのこと こんなふうに 思い返すなんて

水撒きのおわった庭 いっぱい夕日が落ちる
ずっとずっと昔のこと 思い出していた

日曜日の雨の音 目に見える滴
映画が夜を濡らしていく
黒い黒い匂い

感情の波が声を上下に揺らす
言葉はだんだん感覚的なものになっていって
胸に穴があく

夕日の匂いが 顔に染み入って
一日の満足をやり抜く