強く 握りしめていたものは
ぜんぶ 消えた
涙だけが 流れた
川は 涙になった
涙は 光っていた
一瞬 一瞬を
ずっと 光っていた

気持ちがなくなって
もう 誰とも
話せないけど
もう 何にも
傷つけないけど

愛おしい きみの音楽だ
犬みたいな きみの髪が
ぼくの髪に触れて
それだけが 今日のぼくの
心に残る
愛おしい きみの隙間だ
瞬間の隙間だ
声は届かなくなっていく

きみだけのことを書く
きみのことだけ
いつからか いつの間にか
いつだって
それだけが
ぼくを動かす