ぼくがじっとずっと黙って
家の中で そうしていた時
きみのうたが
頭の中
ずっと流れてた
同じ言葉のところ
くりかえし
ずっと流れてた
心の中まで
そうしてきた
ぼくが住んでいた家に
入り込んでいた光が
ぼくが歩いていた道に
充満していた匂いが
きみに染みついている
きみに染みついている
ぼくは どきどきしながら
きみに触れた
きみがぼくに触れたように
きみのまなざしが
ぼくを 動けなくして
ぼくを どこまでも運んでいく
きみの体温は
ぼくの知らなかった 温かさ
ぼくは どこまでも行けるし
どこまでも安心だ
外が騒がしくて
誰だかいろいろ話している
誰が誰に話しかけているんだろう
ぼくは何度か泣いたことを覚えている
ずっと昔の話
だけど 覚えている話
ぼくは今生きていて
きみと一緒に眠っている