頬を押しつけて眠る

安心できるように そうしてみたが

横顔はまだ耳をそばだてている

もしこの町に雪が積もるのなら

どんなによかっただろう

 

誰もが眠っている

そう思うと 安心して歩いて行けた

闇は匂いを濃くして 静けさを閉じこめる

そんなつもりはないのに

時はいつのまにか

どんどん どんどん 進んでいたのだな

 

この気持ちを人のせいにして

ずっと子供のままでいよう

何も知らないと言ってやればいいのだ

ぼくは死ぬまで

しっかりなんてできないだろう

 

地平線に近い空が

一瞬 白く明るくなって

雨と風がすばやく空に吸い込まれていく

思い出す あの丘の上に

また 立つことができるだろうか

 

光る空の隙間に

滴を垂らすものは

ぼくがいつも夢見る

ひそやかな感覚につづいている