階段を下りると もうすでに雨の匂いがして
街は湿気を含んで腫れ上がる
この身体から離れるものなんてないさ
ぼくは スピードを上げなくちゃいけなくなる

風がぼくの口を塞いで すべてを大袈裟にするんだ
ぼくは木に鎖をぐるぐると巻きつけて
違うんだ 違うんだって言ったよ

夜になれない日があった
玄関の鍵を閉めて 部屋の中はとても安心だった
ストーブをつけて チョコレートを食べた

ああ あんな顔 こんな顔
土が見える道
思い出したら いつもそんな風景だった