そっと慎重に匂いを吸い込んで

道に電灯がついて

この感覚が生きているうちは

朝方と夕方が双子みたいに

ぼくの目の前で笑っている

 

今日も明日も会えない

きみの目は ぼくの目を見ることなく

空っぽの家路を行く

 

ほら こんなに簡単なのに

ずいぶん長い時間をかけたものだ

悔やむ時の流れはどのくらい?

日が落ちて 夜が

ぼくを抱きしめてくれる

 

消える電灯たどって歩こうか

きみはぼくを想ってくれるかな

今日も明日も会えない

いちばん乗りの道を行く