何も話してくれなくても

ずっと遠くの空まで見える

立ち止まって

もう一度

だけど

やはり 何も話してはくれない

風の匂いだけ

きみを連れて

何も言わず 歩く

 

静かに閉じるきみの瞼を

そっと見つめていた

遠い静けさと風の匂いが

今 ここにやってくる

このままじゃ このままさ

そして きみは

何も話してはくれない

 

過ぎたぼくらの時を思い出し

ぼくはまた再び ひとりで居た時の時間を感じている

きみの困難は消えず

ぼくの感覚も消えない

ぼくらいつだって ひとりで なんとかしようと泳いでいく

時に隙間に入り込んでは ひっそり絶望する

 

きみを誘い また呼吸をしたい

削り取った時間がまた再び訪れるような

胸がちぎれてしまう時を過ごしたい

きみを誘い また ぼくは生きていたい

 

時が過ぎたことに 今気づく

ぼくはひとりで 新しい願いを抱く