ぼくは今 道端にいる

ここからは ずっと遠くの道までよく見えて

きれいなライトの列が

遠くまで規則正しく並んでいる

夜がすっきりと景色を包んでいる

鼻先に触れている匂いは

まだ ぼくが覚えている部分

踏み出す 一歩一歩が

鮮明にぼくの興奮を浮かび上がらせる

ぼくは今はまだ遠い終わりに 安心している

興奮と豊かさを同時に手に入れて

ぼくは 本当によかったと思っている

ずっとずっといつもより たくさん歩ける気がする

体の内側を掴んで

その手を夜空に突き上げれば

ぼくは今日も うまくやったと思うよ

知っている道は いつもやさしくて

いいことばかり思い出す

 

まっ白な太陽は ぼくの目線の高さと同じ

この冷たさが終われば 一日はまたもとどおり

吐いた息の分だけ ぼくは胸にうたをためていく

 

苦しく愛おしかったから

もう二度とおとずれなくて

何度も思い出す

いつもぼくを追っていたものを

ぼくは手に入れたよ

その中では 泣くことも笑うこともない

くりかえし知っている匂いの中に眠る

目線の高さにぼくは進んで

もとどおりの一日が終わる