昼が土を温める匂いと
夜が木々を冷やす匂い
ぼくは今 窓辺から見える景色を
目の中に溜めていっている
どうしても心が窮屈に
ここにとどまろうとしているから
ぼくは心の旅にすら
出ることが出来ないでいる
緑は ただただ 濃く
海は光に満ちている
風がすべてをかきまわしても
ぼくはまだ終わりを意識している

きみの言葉と表情と温もりを
思い出せる位置にぼくはまだいる
温められたものが冷やされていく
その中で
目の前に見える景色
緑は ただただ 濃く
海は光に満ちている
終わりを意識したままでも
ぼくは旅に出たいと思っている