行き場のない懐かしさを抱き

行進して行く時

きっとぼくはきみのうたを思い出すだろう

きみに教わった花の名前が

涼しく静かな月夜に浮かぶ

月の輪郭を形どってゆっくりたどっていく

ぼくは自分の感覚だけ信じる

風もなく

行き先を変えるどころか

決まってすらいないんだから

すべてはこのうたの中に詰まっていて

本当にそうなんだって思うだけ

涙の川が流れているだけ

過ごした季節を思い出す

きみの目の閉じ方を思い出す

無邪気なぼくらの足跡が

いつまでもそこに残っているように

ぼくの時間が流れているのと同じように

きみの時間も流れているんだね

ぼくはつづけていく

涙の川でぼくはこの感覚を信じている