そんなこと きみに言われたことは

ないかもしれないけど

そんなことを 言われたような

感覚だけが残っている

 

きみは 確かに

ぼくの前で 笑っていたような気がする

それで ぼくは

呼吸をしていたような気がする

 

ぜんぶ 本当だけど

ぜんぶ 過ぎてしまったことさ

 

取り返しのつかない出来事が起こって

そして その後悔の中で

生きていくしかなくなったとして

それを伝える相手が

ぼくには いた

 

そうだ どうだっていいことの中で

ぼくは やり過ごせる術を持っていて

結果 ぼくは きみを やりこめてしまった

 

ぼくらが描くロマンチックの中で

ぼくらは

自分で自分を殺す

世界をうたう

 

ぼくらが一緒に過ごした

時間の匂いが

ただ ただ

風に吹かれていく

 

そんなこと きみに言われたことは

ないかもしれないけど

そんなことを 言われたような

感覚だけが残っている